0を1にしたその瞬間。ラブライブ!サンシャイン!! Aqours First Love Live! 〜Step! ZERO to ONE〜 の記録

長文だよ。長いよ。本当に長い。

それでも良ければ、是非最後まで読んでいただけると嬉しいです。

幕間アニメについてはまた後日・・・

 

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毎年2月という月はターニングポイントになる出来事(イベント)が多い月だと感じているのですが、2017年もとんでもない年になる…いや、なった!!そう感じています。この感情を少しでも書き留めておきたい、おかなければならないと思い立ち、拙いながらも今こうして記事を書くに至りました。

 

つい先日のこと。世界的なアーティストのコンサートから相撲まで、これまで長年多岐にわたって数々の後世に残る催しが開催されてきた地、横浜アリーナで、Aqoursの大きな一歩となる1stライブ「Aqours First Love Live! 〜Step! ZERO to ONE〜」が開催されました。

 

ゼロをイチにする冒険に出よう。変わりたい、輝きたい。そんな想いが込められた1stシングル「君のこころは輝いてるかい?」の2曲目である「Step! ZERO to ONE」の曲名を引っさげた1stライブ。1stシングルが発売されたのが2015年10月7日ですから、それからわずかに1年5ヶ月足らずでこの大舞台に立つことになったのです。

 

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横浜アリーナには、1989年より公演を行ったアーティストの全ての名前(あるいは公演名)が刻まれているパネルが存在します。何かの機会で訪れ、実際に現地で見たことがある方もいらっしゃると思いますが、誰もが知っているであろう名前が沢山刻まれています。初めてこのパネルを観たのが去年の6月下旬のことだったのですが、その時はTVアニメの放送が開始される前。まさかAqoursの名前がここに刻まれることになろうとは、この時は知る由もありませんでした。

 

私がこのライブに参加しようとはっきりと決意したのは、偶然もいいところなのですが・・・それから1ヶ月後の7月31日に開催された、「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours夏休み課外活動 ~みんなでいっしょに夏まつり~ in 沼津」に参加したことからでした。

「たまたま当選したから軽い気持ちで行こうとか思ったのですね?」

とダイヤさんに詰められれば弁解の余地もありません。

東京ドームでのμ'sファイナルライブからさほど時間も経っておらず、まだまだ余韻が残っていた時期。先代が与えた影響の大きさは誰の目にも明らかで、その中でラブライブ!という看板を背負って立つことのプレッシャーの大きさ、全く想像がつきません。1stシングルからメルパルクホール、2ndシングルや様々なニコ生と歩みを進めてきたがまだまだ結成から1年ほど・・・一体どんな姿を見せてくれるのか。期待と不安が入り混じりながら人生初の沼津へ。

 

音頭がながれていた会場が暗転し、しばらく経って照らされるステージ。

そこで私が目撃したのは、まだどこにもない新たなラブライブ!の物語を現そうと全力で、まっすぐに走っている9人の姿だったんです。

 

その姿は眩しかった。

精一杯輝こうとしていた。

 

このイベントにて、会場が横浜アリーナであることが発表されました。OPの映像で事前に予想されていたところではありましたが、この沼津という場所で、直接!発表してくれたことに意味があると今でも思っています。

Aqoursにとって大切な大切な沼津で、このようにAqours9人でイベントが出来て本当に嬉しく思っております。そして、横浜アリーナ、いよいよ発表されましたね。こうやって、皆さんに直接お知らせできて、本当に嬉しく思います。こうやってね、喜んでいる姿を直接見れて本当に嬉しかったです。常にね、皆さんに応援してもらえるのが当たり前だというふうに思わないように日々私(わたくし)達も成長していきたいと思っておりますので皆さん、どうぞよろしくお願いします!

ラブライブ!サンシャイン!! Aqours夏休み課外活動 ~みんなでいっしょに夏まつり~ in 沼津 逢田梨香子さんの挨拶より

当時の映像を見返していたのですが、1stライブに向けての決意に加えて、各メンバーの言葉には伊波杏樹さんの座右の銘である「日々精進」、あるいはそれに寄り添うものが多くありました。

今日こうして1,516人の前で歌やトークを披露している姿があるけれども、やっぱりそれとは規模が全然違って。今日の10倍もの、LVを含めればその何十倍もの人の前で、もっともっともっともっと沢山のことをやる。だからこそこれから1stライブに向けて一生懸命に、毎日笑顔で全力で走っていかなきゃ!という決意、1stライブを成功させ、ゼロをイチにしていくんだ!という統一された覚悟が全員から感じられたんです。

だから、この場に幸運にも居合わせることのできた一人として、「始まりのお話」の始まりを見届けなければならない、と決意したのでした。

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開演前に流れるTVアニメの劇伴。聴くたびにゆるやかな波打ち際の音色が聞こえてきました。サンシャインの劇伴は聴くたびに好きになるし、内浦の嘘偽りない海の青が即座に浮かびあがってくるんです。開演前に流す曲を大切にしてくれるライブは良いライブになるし、そうなるという確信がありました。

会場が暗転し、キャラ紹介の映像が流れ。文字が全てアルファベットになっているあたりに時代の変化を感じつつ、暗転ののちステージが輝き、やっぱり最初はこの曲と「青空Jumping Heart」、フルは初披露。「夢を抱きしめてJumping Heart」の小刻みに跳ぶところが好きなんですよね。それはまさにラブライブ!のコンセプトの一つである「キャラクターのPVと実際のライブの融合」で・・・この景色を観るために、ラブライブ!のリアルライブに足を運んでいるんだな、と再確認する瞬間でした。

 

そして間をおかずに「恋になりたいAQUARIUM」。完全初披露。

初めて沼津に向かう車窓から太平洋を眺めながら、ひたすらリピート再生していたのがつい昨日のことのよう。

恋になりたいAQUARIUMは、「近づきたいな I miss you・・・」、2番のサビで夕陽に染まるところと間奏のワカメな振付と、曜ちゃんのソロパートがやっぱり好きですね。ようちかなんですよ。2ndだと会場もはっきりみかん色に染まるのかなとぼんやり考えていました。

 

1日目「AqoursHEROES」はサビもそうなんですが、がんばルビィの振付が何度も何度も出て来るのがお気に入りです。ニコ生のジングルに毒されたせいか、冒頭であれっとなります。Aqours☆PUNCH!!のように強烈な(?)、私達の成長した姿を見せつけてやるって情熱に溢れた曲でした。

2番の果南ちゃんの「はやく」が突然高いキーになるので、今でも聴くたびに毎度おっ、と思います。

2日目は曲が「ハミングフレンド」に交代。「トリコリコPLEASE!!」もですが、EDMなので身体全体でノっていくのが楽しくて、楽しすぎてセンターステージへ通じる花道を手を振りながら歩いていた9人の姿くらいしか頭に残っていないのが申し訳ない所・・・

 

 「決めたよ Hand in Hand」は、サビで腕を回す所の踊りが、TVアニメ1話のそれより激しいんじゃないかってくらいグルグル回していて。特に曜ちゃんがだったんですけど、もう梨子ちゃんも地味どころか完全に仕上がってました。途中にアニメパートもありましたが、ここまで2年生組がずっと出ずっぱりで、それでいて大きくバテることなくパフォーマンスを続けていたの今見返すと結構とんでもないです。

 

 その次は「ダイスキだったらダイジョウブ!」。TVアニメ3話ではステージの途中で停電し、ステージが暗い中で震える声で歌い続け・・・でも、心が折れかけたところで花丸ちゃんやルビィちゃんをはじめ、美渡お姉さんのおかげで輝きがよみがえる・・・という流れなので、そういう演出が入るのかも?とどこかで考えていたんです。

でもそんな杞憂をあっさりとふっ飛ばしてくれたんです。

これこそ2年生の3人が成長したことの証左でした。乗り越えたんだなって。

 

夢で夜空を照らしたい」では、ふと会場全体を見渡すと、トワイライトな会場にみかん色の光が揺らめく姿がとても綺麗でした。音が伝わるタイミングの時間差が生み出したそれは波のようで。TVアニメ6話でも富士山が映るようにアングルが組まれていましたが、まさに内浦から羽ばたくって感じですね。

 

CYaRon!のパートは、まさにイコール元気!で。「元気全開DAY!DAY!DAY!」の時は、MCで触れていたように曜ちゃんのベレー帽めちゃくちゃ似合ってるなとか、元絵では一つのみかんワッペンが増殖してて良いなと考えていたんですが。これまたMCで触れたようにCYaRon!は実はギャップのあるユニットで。

「夜空は何でも知ってるの?」では三人共、元気から一転して切ない表情を見せてくれて。

1日目はアリーナBの4列目から、2日目は北スタンドの2列目で眺めていたのですが…

1日目は曲の終わり、眼前で曲の最後に伸ばした腕をギュッと引き寄せる時の伊波さんの表情と、本当に真っ直ぐ正面のカメラの方を向いていたことが強烈に印象に残っています。一点のブレもありませんでした。どこへ向けて自分の姿が発信されているかの意識付けが凄いと思いました。

2日目に注目したのはセンターステージでした。正面からだとなかなか分からなかったのですが、 朱夏ちゃんのステージ全体を使ったダンスがまたしなやかで。その舞い踊る姿は、ミュージカルというよりはフィギュアスケートとか、バレエに近い印象を受けました。ユニットで成すだけではなくソロでも凄いとなると、曜ちゃんのソロ曲が楽しみになってきました。

センターステージには映像が映るようになっていて、3人が揃ってそれに合わせて動くことで光を纏っているのが幻想的でありつつも、歌詞に「大好きなはずなのに ときどきすれ違う」とあるように、トロッコに乗った三人は最後まで別々の方向を向いていて。けれどユニットの方向性は一つになっているのがまたギャップですね。

ところで曜ちゃんの衣装本当に可愛いです。

ameblo.jp

 

そしてお次はAZALEAのパート。最初から先程切ない表情をしていた伊波さんがセンターステージに照明が移った途端ノリノリで腰を振って踊りながら退場していったのがこれまた印象に残っていて申し訳ない限りなのですが…

まず目についたのがダイヤさんの衣装。ルビィちゃんの動画を「ハレンチです!」と断言する一方でこんな衣装を身に付けるなんて…果南ちゃんの衣装も、普段のウェットスーツとはまったく方向性が異なるもので。鞠莉ちゃんが見たら似合ってるわと素直に褒めるか、あるいは茶化しに入るか、そういう反応が想像できるのが面白いです。

他のユニットが元気だ堕天だと言ってるのに比べて、比較的穏やかなイメージがあるAZALEA。やはり果南ちゃんとダイヤさん、二人の存在が大きいところです。その二人に挟まれる花丸ちゃん。下っ端扱いということでトリコリコステッキを片付けていましたが、トリオシングルでも大変な役回りになりそうでこれまた楽しみ。

 

ここまで書きましたが、先述したCYaRon!パートの最後で記憶をふっ飛ばしてしまったので、AZALEAパートの記憶は全くおぼろげな事に。

ただ、1日目にトリコリコステッキで会場をトリコリコ(ピンク色)にする魔法を会場でかけていて、2日目にはそれを察してMCに入るとあらかじめピンク色にしていたのを発見した諏訪さんが「まだピンクにしちゃダメ」と言ってたのが良かったです。

あと「トリコリコ」って単語、結構解釈の余地があって良いなと思います。

 

 AZALEAパートが終わると、すぐに「Ready?」の声。

「Strawberry Trapper」の冒頭の掛け声と共に、Guilty Kissのパートが開始しました。ユニットの中ではギルキスが一番好きなんです、ライブの映像をニコ生課外活動で流されたら多分笑っちゃうんですよ。ネタユニットじゃないはずなのに。いやネタユニットなんだろうか?多分真剣なのにふざけてるということでしょうか。

ガイコツマイク(スタンドマイクに見せかけてステッキマイクらしい)が三本ステージに立っているのを発見した時は本当にテンションが上りました。これを生で見られるなんて。

 

ラブライブ!のライブに伝説のマイクスタンド芸が帰ってきたんです。

 

恥ずかしながら生で見たのは初めてだったのですが・・・メンバー3人のキメ顔が本当に良くハマってて格好いいし、マイクスタンドの傾きがもう地面スレスレかってくらい凄いし、堕天使ヨハネはライブ前に思い浮かべていたスポットライトで神妙なポーズをしている姿そのものだったし、ちょっと油断したらヘドバンしてしまいそうな楽しさでした。高まりで言えばギルキスパートに勝るものはなかったです。

MCを挟んだ後は「Guilty Night, Guilty Kiss!」。これが聴きたかった。冒頭のリップ音は3人のリップ音を合わせた音ですが、収録は別々だったそうで。それを動作までつけて同時に演ってくれるともうロックオンですよね。1日目はトロッコがもう目の前に来て間違いなくロックオーン!されてしまいました。

「欲しいものは奪いたい Guilty Kiss!」の後のマリーの煽りが好きです。他全ての曲にも言えることですが一日でも早く映像が観たい…

 

壮絶なユニットパートが終わった後はアニメの振り返り映像の後に「未熟DREAMER」。サビから花火が登場して、まさか会場で打ち上げることはできないのは分かっていましたが、ナイアガラという形で表現されていて綺麗でしたね。綺麗すぎて火傷しそうだからか、2日目は1日目より多少演出が縮小されていたような気はしますがそれはさておき!

衣装がキャラクターの色をベースにして、更に加えて肩のフリフリとか片方ソックスとか後ろのリボンとか!Aqoursの衣装はフリフリを使いまくってても過剰になりすぎずにアクセントとしての役割に終始してるのが好きです。

 

そして…

11話の挿入歌、「想いよひとつになれ」。

この記事を書こうとブログを立ち上げたのも、この曲の時の光景がきっかけです。

それまで沢山の景色を眺めて、色々な感情が入り混じっていた記憶があるにも関わらず、いざ語ろうとするとこの曲の事ばっかり出てきてしまうんです。

それほどに脳裏に焼き付いてる。

 

この曲が作中で披露された時、梨子ちゃんは東京、残りの8人は沼津にいるという設定ですから、演出で通じ合っていても本来同時に演奏をすることは叶わないはずなんです。

 

叶わないと思い込んでいたからこそ、8人の歌に合わせて実際に楽譜なしでピアノを演奏をするという、並大抵ではない、今まで観たことなんてないパフォーマンスを目の当たりにして、ただただ感動するほか無かったんです。

 

さらに衝撃だったのは、逢田さんはピアノ経験者などではなく、五線譜の音符すら読めないところから、僅か三ヶ月で仕上げた演奏であったこと。

最早書くまでもないかもしれないけど、書きます。

 

「ゼロからのスタート」だったんです。

 

何度でも繰り返し言いたい。

自分の中の梨子ちゃんと、一体どれだけの時間真剣に向き合ってきたのだろうか。その過程でどれだけの葛藤があったのか、全く想像に及びません。

 

先週のニコ生課外活動では一人だけ、体調は大丈夫か、風邪には気をつけてとまるでスタッフかマネージャーの立場かのような発言がありました。この時も裏では梨子ちゃんと向き合い、心が折れそうになっていたのを乗り越えていたのかと思うと…

ライブが終わってからもう一週間が経とうとしていますが、未だに2日間の「想いよひとつになれ」の光景が目から溢れ出てきそうになります。

 

ステージに楽器を用意して、キャラに沿ってまるで演奏しているかのように表現するパフォーマンスをこれまで色々なライブで何度も観てきました。

それはそれで良さがあるんです。全く悪いこととは思いません。実際には演奏していなくてもちゃんと一つのステージとして形を成すことは出来るんです。キャラクターを表現する形の一つです。

 

そうする選択肢もあったでしょう。スタッフの方もやはり、無理はさせたくないと。けれどそこをあえて押し通して、実際に自分の指でピアノを弾くことを決めた。

作中の桜内梨子ちゃんの表情、愛情友情感情全部全部ひっくるめて全部を背負って憑依させて、桜内梨子ちゃんそのものをステージに現す覚悟をした。

 

声優の人が実際にライブで楽器を演奏する時の顔って、本当に真剣なんです。

4年前と6年前、それも2月に、場所は違えど同じような光景を観たんです。ある人はその時の心境を「怖かった」と語っていました。

 

だから。

1日目に最後の一音までしっかりと弾き切った時、私も安心してしまっていたんです。

よかった。大変な困難だっただろうけどやりきった。

Aqoursの皆は本当に凄い。

9人の想いが、時空(とき)を超えてひとつになった瞬間をそこに現していた。

あとは2日目を残すのみだ、と。

現実、2日目に深く一礼をする逢田さんは、1日目のガチガチに緊張した表情ではなく、11話の梨子ちゃんの微笑みを含めた表情だったんです。

 

けれど、そう簡単にはいかなかった。

 

ダンスの振り付けや僅かなつまづき、歌詞の間違いくらいであれば、カバーして持ち直せる。しっかり覚えてる人なら間違っていると気付くことだけれど、流れが断たれることはない。

しかしピアノはそうはいかず。絶対音感なんて持ってなくても、1音ずれるだけで伝わってしまう。ましてや旋律の一部。

 

逢田さんはその時の事をあまり覚えていないと、Instagramに載せた写真のキャプションに感想として書いています。

 

千歌ちゃんの歌い出しの後の弾き始め。会場が何か変だ、という空気に包まれて程なくして、曲が止まりました。

あんちゃん、あいにゃ、すわわが駆け寄って抱きしめ。

大丈夫、絶対大丈夫だからと。

 

会場では自然とコールが沸き起こっていましたが、目の前が真っ暗になりそうで、ひたすら茫然としていました。

もう続けられないんじゃないか。

立ち直ることができず、舞台を後にするんじゃないか。

それこそ、2話の梨子ちゃんがそうであったように…

 

しかし暫くして暗転が終わり。

再び「想いよひとつになれ」が流れ始めたのです。

 

今度は千歌ちゃんもさらに力強い歌声で…

冒頭のグリッサンドを超えても、本当に本当に、力強い演奏で。

 

また失敗してしまうんじゃないかと。

なにかを諦めずに掴もうとするその姿にひたすら釘付けになりながらも、あの状態から立ち直るのは難しすぎるんじゃないかと。

ずっとハラハラしていました。

 

 

でも、出来た。

 

梨子ちゃんが奏でた最後の一音。

確かに聞こえました。

 

これがラブライブ!サンシャイン!!の物語なんだと。

その時の感情を示す上手い言葉が、今でも見つかりません。


ここで、各キャストについて触れていきたいと思います。

 

1日目はなんとか終えることが出来たから、2日目はもっと落ち着いて梨子のように笑顔で弾こうと決めていました。正直あの瞬間のことはあまり覚えていません。でも、メンバーが瞬時に駆け寄ってきてくれて、そして会場の人の声で、あ、泣いてる場合じゃないと逢田梨香子の中の”桜内梨子”をなんとかもう一度奮い立たせることが出来た。あれがなかったら絶対に心が折れていたし、一生後悔してたと思う。

もう一度チャンスを与えて下さって本当にありがとうございました。そして”想いよひとつになれ”の歌詞一つ一つが胸に響いて私を支えてくれました。

 

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 桜内梨子役の逢田梨香子さんの凄いところは、短期間であれだけの演奏を仕上げたこともだけれど、いざパニックに陥ってしまった時に梨子ちゃんとしっかり対話して、これではダメだとしゃんと胸を張って立ち向かい、梨子ちゃんとして演じきり、0から1へ、とはこういうことだと証明してみせたところ。

 

伊波さんが「これが生なんだ!」と渾身のフォローを入れてたけれど、本当にその通りでしかなかったんです。LIVEなんだから突然予期しないことが起こるものだって。3話でも突然停電したし。

この言葉を聞いた時、そして真っ先に逢田さんに駆け寄った姿を見た時、本当に高海千歌役の伊波杏樹さんは一応どころか間違いなくAqoursの真のリーダーなんだと感銘を受けました。考えを共有してメンバーをひとつにまとめる役をやりきっていたと思います。

公式パンフレットのインタビューではこんなことを語っていて。

場数を踏んでいない私たちが2DAYSもできるのか、ケガなく安全に終わるためにはどうすればいいのか、不安と謎でいっぱいでした。

どんなイベントもライブも、成功のカギは「思いやり」だと思っているんです。

Aqours First Love Live! 〜Step! ZERO to ONE〜 公式パンフレットより

 ライブ後に改めてパンフレットを読んで、伊波さんがAqoursのリーダーで本当に良かった、と感じました。

 

渡辺曜役の斉藤朱夏さんは、すべてを楽しんで渡辺曜として全力で飛び跳ねて、ヨーソロードを走り抜けていて。

曜ちゃんは常にステージの上にいました。間違いなくいたんです。

私は、あのステージ 斉藤朱夏とゆう存在をなくし
渡辺 曜としてステージに立ちました。
 
 
曜ちゃんが大好きだから、曜ちゃんと一緒に
そしてAqoursのみんなと0から1にしたいから
 
 
曜ちゃんステージにいたかなっ。
曜ちゃんと一心同体になれたかしらっ

どんなときもみんなを置いてけぼりにしてしまうほど、全速前進でヨーソローしてる姿を見ると本当に元気だとか、楽しいって感情にすべてが支配されるから凄いです。

 

津島善子(ヨハネ)役の小林愛香さんは、堕天使ヨハネ善子ちゃん、二つの形態でいかに舞台に顕現するかを必死に考えていました。

1話の演技が好きなんですけど、やっぱりそれと対をなすギルキスのヨハネ召喚パートが燃え上がります。堕天使だって、いや堕天使だから本気でやったら滅茶苦茶クール。

Aqoursが誕生してからというもの 
 
沼津から誕生したスクールアイドルAqoursのメンバー、堕天使のヨハネと一緒に。
 
本当に毎日、ひと時も欠かさず
ヨハネと一緒に過ごして来た感覚があって。
 
ヨハネと一緒に
きっと、この日のために。
 
この日、みんなと一緒に
一歩を踏み出すために。
 
見ている人全てを地獄へ堕天させることができるように、わたしもヨハネも頑張ってきたのかなって思ってます。 

デュオシングルで善子ちゃんモードでの歌唱が聴けるのが楽しみでなりません。

 

国木田花丸役の高槻かなこさんは、最後の挨拶で自身の身長の高さをコンプレックスとして抱えながらも、少しでも花丸ちゃんに近づこうと、毎日花丸ちゃんと向き合っていたと語っていました。さらに、合宿でも身体が周りについていかなくて、千歌ちゃんのように「悔しい!」と感じたことが原動力になったと。

確かにメルバルクホールでのイベントでは、曲中でもなかなか辛そうな表情をしていて。「0から1の締めくくり」と題したInstagramの文章では、こう綴っています。

私が私としてステージに立つのではなく、ステージに立つ花丸ちゃんがどうしたら可愛くなるかの研究。
その時は一生懸命すぎて自然にやってたけど、今思えばそう。
あの二日間、確かに私はマルちゃんでした。
誰に何と言われても!

.
私は、改めて、
国木田花丸のことが大好き。
Aqoursのことが大好き。
ラブライブ!のことが大好き。

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この2日間、ステージで舞い踊る姿は、身長差なんて全く気にならないくらい花丸ちゃんでした。「誰に何と言われても」って断言できるの格好いい。

 

黒澤ルビィ役の降幡愛さんは、自分の足で沼津を訪れて、その魅力を発信していて。ルビィちゃんが住む場所を訪れることを通してルビィちゃんと向き合い、「黒澤ルビィちゃんとしてステージに立つこと」「愛を届ける」ことを実行していたように思います。

仕事やイベントがある訳でもないのに自分の時間を割いて自分の足で沼津を訪れて何かをする、明確な行動力がないと出来ることじゃありません。

これが愛なんだなと感じます。

昨年末のジングルベルイベントで「私は黒澤ルビィとしてステージに立ちたい」と宣言しつつ。

 

黒澤ルビィ
大好きなルビィをあのステージに立たせたかったの。スクールアイドルが大好きなルビィに。

www.instagram.com

 衣装に適うように、内面は勿論のことですが、加えて髪色までルビィちゃんの色へ寄せていったこと。ルビィちゃんもまた、あの日ステージに立っていました。

 

 松浦果南役の諏訪ななかさんは、アニメのアフレコが始まっても果南ちゃんのことが探り探りであったと。「ハキハキとしゃべる子で、頼れる兄貴のような存在」というディレクションがあったとインタビュー(号外で読めます)で話していましたが、それでもキャラクターが掴みきれず。でも9話での果南ちゃんを通して、それが全て入ってきたと語っていました。

「電撃G's Magazine」やドラマCDでの果南はすごく穏やかで、他人のことばかり考えているような子でした。自分の本心は表に出さないから、TVアニメ中盤までは演じながら探るしかなかったんですよね。だから第9話で鞠莉に声を荒げた時、果南がやっと自分の中に全部入ってきたかのような感覚があったんです。

Aqours First Love Live! 〜Step! ZERO to ONE〜 公式パンフレットより

アフレコを進める中で果南ちゃんを「もう一人の自分」にしていった諏訪さんですが、沼津のイベントでは思わず涙していて。TVアニメを4話まで観る限り、果南ちゃんはそういったキャラではないと思っていたので驚きでしたが・・・9話を観た後だと、それもメンバーに対する信頼の証で。

デビューから1年半が過ぎて思うのは、信頼した相手の前では感情を隠せないし、逆に隠さなくてもいいんだなってことです。

電撃G's Magazine 2016年11月号より

そんな所が凄く果南ちゃんだし、納得させられました。

 

 黒澤ダイヤ役の小宮有紗さんは、ステージ上でもTVアニメ作中のダイヤさんのように、他のメンバーに緊張がみられる中でも堂々と立っていて。

てくてくAqoursでは、特に3年生が重要である9話についてのトークがあって、その中で一歩引いた見方をしているダイヤさんについて語っていました。

本当は私とか感情を出してやりたいけど、ダイヤだから、抑えてお芝居するように凄いしてたところが沢山あって。だからなんかね、その感情のぶつけ合いをしてる二人が凄い羨ましかった。

てくてくAqours~3年生編~より

でもそんな臆病の3年生を全員引っ張っていくのが千歌ちゃんだ、とも。Aqoursのリーダーは千歌ちゃんですが、3年生組の心の支えになっているのがダイヤさんだと感じています。

個人としては今までもステージに立つという経験はあったけど、
やっぱり横浜アリーナというあんなに大きい会場でしかも歌って踊る、、
なんて事は初めてだったので、1日目のあのステージに出る瞬間は凄く凄く緊張しました。

 

でもステージを向いた瞬間に、
凄いほっとして自然に笑顔になれたんです。

それはきっと会場にいた皆さんが私たちを温かく見守ってくれていたからなのかなと、、

Aqours 1st LoveLive! 〜Step ZERO to ONE〜|小宮有紗オフィシャルブログ Powered by Ameba

そんな小宮さんも、横浜アリーナという大舞台では緊張していたそうです。

が、それを表に出さずに最後までやり切るのが本当にダイヤさんでした。

 

小原鞠莉役の鈴木愛奈さんは、MCのたびに繰り返し「私はラブライブ!のことが大好きです」と発言して。その言葉に恥じないよう全力でシャイニーしていました。

冒頭で触れた沼津のイベントでは、あえてその場所には触れていませんでした。パンフレットでも大きくは取りあげず。

でもライブの最後の挨拶で、はっきりと横浜アリーナは自身の「憧れの場所」であり、その場所にラブライブ!で立てることが本当に嬉しいと語っていて。

 最後の挨拶でも言わせて頂いたのですが、私は横浜アリーナが夢の舞台でした。高校の時に出場したアニソンの大会で敗れたあの時から、その想いは更に強くなって。その時に優勝出来てたら、次の年にアニソンシンガーとしてのデビューと、横浜アリーナで開催される大会に出場が決定してました。

鈴木愛奈 on Twitter: "長いですが、1stライブの感想を書かせて頂きました♪
そして皆様から頂いた沢山のお手紙、お花やプレゼント、全部私の大切な宝物です。本当にありがとうございました!!!!✨✨ https://t.co/wJnhSb0PlG"

こうしてかつての憧れの舞台に立っても、まだまだ先を目指して行くんですよね。

 

余談になりますが、11話でのびゅうおでの曜ちゃんと鞠莉ちゃんの会話シーンが色々な意味で好きなんです。この時の鞠莉ちゃんはとってもシャイニーお姉さんです。愉快さ、おちゃらけだけでなく、あいにゃはステージ上でそういう鞠莉ちゃんの包容力を出そうとしている姿が良いなと思っています。

一方で、9話では明らかな感情の発露があって。

特にあたしもその、鞠莉ちゃんがこう走る、走って、その果南ちゃんの気持ちにダイヤちゃんに言われて気づくっていうそういうシーンで、こうやって学校まで走っていくところも、凄いなんかもうクラクラするくらい「ハァ、ハァ」やってたから・・・でもやってる時になんか、泣いちゃったもんね。感情がこう、凄い入っちゃって。

てくてくAqours~3年生編~より

 9話はもう全体的に感情がこもった演技に心打たれるんです。特に鞠莉ちゃんを演じるあいにゃが凄かったんです。さらなる輝きに期待です。

 

それぞれ抱える他のメンバーに比べて不出来な所とか、キャラクターと自身の間のギャップに悩みながらも、少しでもキャラクターに近づこうとしていたことが伝わってきました。それに加えて完璧なパフォーマンスであったかどうか、演じる側からすればそういう評価軸も大きいものになってくるんだろうけども、やっぱり自身の演じるキャラクターに向き合って、私以上にこのキャラを愛している人なんていないし、それくらい大好きだから、簡単に他と一緒にしないでほしい!!ってはっきり言い張れるくらいに真剣な姿勢が良いなって思うし、応援したいって思うんです。

 

作中のメインとなる舞台である浦の星女学院の校訓には、

「克己創造」という言葉があります。

己に克(か)って創造すること。

まさにこの言葉こそがゼロから一歩を踏み出し、イチにしたAqoursの9人を表した言葉だなと思いました。

 

ライブ本編に話を戻します。

MCの後、1日目は「届かない星だとしても」、2日目は「待ってて愛のうた」が。

これまた前の曲に引っ張られすぎて、会場ではその余韻に圧倒されながら観ていました。改めて聴き返すとこの2曲、共に「恋になりたいAQUARIUM」のカップリング曲ですが、どちらも結構しっかりとしたメッセージを持っていて。

「届かない星だとしても」は曲調は盛り上がりに徹していても、元気出していこう、まず手を伸ばして!という輝きたい人にうってつけの応援ソングで。出だしの1,2,サンシャイン!とか、メロディの間の2→3→5拍子とか。元気づけられるとともに、楽しいって気持ちにさせてくれます。

「待ってて愛のうた」は、初めて聴いた時にいちばんソロパートが印象に残っています。ソロライブコレクションがあるとするなら、この曲が一番個性が出るんじゃないかってくらい。それぞれの愛のうた、聴いてみたいです。

 

さて、ここまで0を1にするために歩んできたAqours

しかし0を1にして終わりではありません。

ラブライブ!サンシャイン!!は「始まりの物語」であり、何かを終わらせる物語ではないんです。

まだ先があるんです。

 

「輝きたい!!」

 

0から1で終わりたくない。

MIRAI TICKETを手にして僕たちだけの新世界へ。先の景色へ。見たことない夢の軌道へ・・・

MIRAI TICKET」の前に、TVアニメ13話Bパートを再現した劇パートがありました。

2日目のそれで梨子ちゃんが放った「輝きたい!!」は本当に語気が強くて。

曜ちゃんが千歌ちゃんに「やめる?」と囁きかけるところもまた、グッときて。

センターステージで舞い踊る9人の姿を観ていたら、このまま宇宙を超えてどこまでも行けるんじゃないかって気がしました。

劇パートの再現度の凄さもそうなのですが、イントロと同時にカウントアップしていくところ、輝きがとてつもなくて13話を見るたびに満ち足りた涙が出てきてしまいます。

 

一段上のNext Stepへ、あたらしい場所へ…。

その想いを確かなものにするための曲はもちろん1stシングルである「君のこころは輝いてるかい?」。

まさに今日この日。未来が変わったんだなと心が輝きに満ちていました。

 

アンコールアニメが終わると、いよいよライブも終盤へ・・・今回唯一のBlu-ray曲である「Pops Heartで踊るんだもん!」。

この曲のコールの楽しさ、そして横浜という舞台…まさにパーティーでパーティーな一曲です。ひたすら楽しい。「全力で楽しもう!」というのも各メンバーがライブ前に呼びかけていたことでしたね。

輝くって、楽しむこと。


さらにTVアニメのEDテーマである「ユメ語るよりユメ歌おう」、続いて表題曲である「Step! ZERO to ONE」で、ライブは締めくくられました。

ユメ語るよりユメ歌おう」では全員分のトロッコが登場して。

目の前にみんな、いたんです。

「Step! ZERO to ONE」はこれまでは0から1へ、このライブでは更にその上まで「変わりたい」という想い、そして変わるための冒険に出よう、というメッセージが上乗せされていたように感じました。結構カッチリした振付が続くところに、間奏の「1、2!1、2!」が入ってくるのが好きです。

 

そしてデュオトリオシングル、2ndライブツアー、TVアニメ2期などなど怒涛の展開発表ラッシュ。

これから冒険に出る9人のステップアップに、ワクワクが止まりません。


最後にライブ直後に感じたことを、拾い上げて書き残しておきます。


本当に今回のライブはドラマで。TVアニメの作中で繰り返し語られてきた物語があって。

それはアニメじゃないけれど、リアルの光景として全身に降り注いできたんです。その巨大なエネルギーは、ライブを様々な形で目撃した個人それぞれの心に、個々の体験として強烈に焼きついているんです。

この個々の体験は自分だけのものだから、誰に何を言われても消えたりなんかしないし、揺るがない。この2日間を目撃した人全員に、そういう体験がある。

そう自信を持って言えるくらいの時間が流れていたし、この体験をいつまでも忘れないでいたいと感じました。


以上です。


本当に最高の景色だったし、この2日間の体験に等しい体験はもう出来ないんじゃないかとすら思っています。いや、出来ない!

ありがとうAqours

そしてこれからも、よろしくお願いします!

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

最後になりましたが、沼津の風景写真を1枚。

また近いうちに行きたいですね。 

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2017/2/11 三津海水浴場にて